在米くのいち 手当ての道をゆく

病気と共存しながら施術者を目指す日々の奮闘記。

考察:鍼灸学校の減少

ここ数年全米の鍼灸プログラムを隈なく調べてきて、学校数が減少傾向にあることに気づいた。

東洋医学の需要が増加傾向にあるのに相反する動きだ。

 

鍼灸を学びたい学生の数が減少しているとは思えない。

では、なぜ学校数が減少しているのか。

  

西洋医学を学ぶ医学部は大半が非営利団体の学校法人だと思うが、鍼灸学校は営利経営が多い。

つまり、ビジネスとして教育を提供している。

医療を学ぶ学校としての高い認可条件を満たしながら経営を守ることになる。

結果として、授業料の高騰や詰め込み式のカリキュラムにもつながり、学生にとって入学のハードルが上がっているような気がする。

 

カリキュラムについて言えば、パートタイムで通える鍼灸学校はあまりない。

授業は毎学期15単位近くをこなさなければならない。

それに伴う自宅学習は30~45時間にもなる。

学年が上がると実習時間も増える。

仕事と両立しながらの学生生活はかなりきついものになる。

 

学生層の特徴として、鍼灸学校にはミドルエイジ世代が目立つ。

第二のキャリアとしての挑戦。

今のキャリアを維持しながら学校に通うケースが多い。

結果として、鍼灸学校は職場からすぐに通える都心に集中している。

 

一方、鍼灸師の就職先は西洋医学部の卒業生とは大きく異なり限定的だ。

大半の鍼灸学生は就職先がないために卒業後に開業する。

都市部出身の学生が地元に開業するから都市部の鍼灸院数が飽和状態になっていく。

結果的に経営競争も激しくなる。

 

そんな諸々の理由で都市部の学生数が伸び留まり、鍼灸学校の減少につながっているのかもしれない。

 

逆に田舎には鍼灸学校がなく、人口当たりの鍼灸院数も少ない。

でも医療としての需要は増えているように感じる。

地方に住む人間で鍼灸学校への進学を希望している人も多いに違いない。

私もその一人だ。

 

地方に学校法人の鍼灸学校を設立しても生徒が集まらずに閉校に追い込まれてしまう。

医学部や歯学部がどの街にもあるように、鍼灸学校がもっと身近になればいいのにな。