在米くのいち 手当ての道をゆく

病気と共存しながら施術者を目指す日々の奮闘記。

理想の仕事が見つかる

今年2月から始まったセラピスト生活。

失敗しながら学ぶ日々。

医療従事者としての責任の重さを毎日ひしひしと感じている。

駆け出しの時点からサポートしてくれる同僚に恵まれていることは本当に幸運だ。

 

病院での仕事も始まり、自分の目指す方向にキャリアが進んでいることがありがたい。

 

次のステップとして理学療法クリニックでのポジションを模索していた。

社員雇用かコントラクター契約を希望していたが、ルームレントが条件だった。

 

ルームレント自体はセラピストの仕事環境として日常的に行われていて問題はない。

ただ、施術経営に関するすべての作業を自分で行う必要があることが私にとって大問題だった。

色々シュミレーションしたり、経費を計算したりしながらかなりの時間悩んだが、やっぱり自分は施術に専念する形態が向いているという結論に。

理学療法クリニックでのお話は残念ながら成就しなかった。

 

その直後、まさかのタイミングでウェルネスセンターでの仕事が見つかった。

コントラクター契約なので予約管理や施術料の受け取りなどは経営者にお任せできる。

勤務日程はフレキシブルで、病院での仕事と両立したい私には願ってもみない条件だ。

経営者とも意気投合し、オンコロジーマッサージを提供するという共通の目標に向かっている。

 

唯一心配なのは少し通勤距離があることと降雪の影響。

だが、これまでずっと仕事を探し続けてきて、条件が合う職場に出会えなかったし、どの仕事でも何かしら妥協しなくてはいけない点はあるはず。

そう考えたら、この機会を活かさない理由はないと即決できた。

 

しばらくは三足の草鞋だが、ここから少し時間を掛けて、病院とウェルネスセンターの二足の草鞋に移行する予定だ。

セラピスト一年目でここまで進めるとは全く想像出来なかったが、これまでのトレーニングが実を結ぶ形となり素直に嬉しい。

ここから一歩ずつ踏み締めて、セラピストライフを充実させていきたい。

オンコロジーマッサージデビューへの第一歩

地元にオンコロジーマッサージのサービスを提供する病院がある。

レーニングが終わったら是非働きたいと以前から思っていた場所。

早速連絡すると、採用に向けてとんとん拍子で話が進んだ。

 

ここでの施術は患者さんとその家族向けの無料サービスだが、セラピストには報酬が支払われる。

治療ではなく、リラックス効果を目的とする10分間のチェアマッサージだ。

 

この夏にはオンコロジーマッサージデビューできそうだ。

一歩前進できることに感謝。

専門の再考

オンコロジーマッサージのトレーニングが終了。

最後のクラスでは癌経験者に施術した。

 

クライアントの問診を経てマッサージの圧を考えるのだが、当日の体の痛みや不快感、過去の治療からの長期副作用、マッサージのスピードなど考えることが多く、パニックになってしまった。

正直、失敗したなと思った。

 

案の定、数日後に行なったクライアントのフォローアップでは、「皮膚を優しく撫でられている以外は何も感じなかった」と言われた。

正直な評価に感謝だ。

この施術にわざわざ高いお金を払いたい人はいないだろうな。

 

癌経験者は普通の人と同じように生活したいと願う人が多い。

必ずしも最善の選択ではなくても強い圧で施術して欲しい人が多いのが現実だ。

 

何か症状がない限り、わざわざ高い料金を払ってまで優しいマッサージを受けたい人はいないかもしれない。

裏を返せば、優しい施術を必要とするクライアントを再考すればいいのか。

 

抗がん剤治療中の人、手術後の腫れを引かせたい人、全身に慢性的な痛みがある人、リラックスしたい人、不安感を拭いたい人、落ちた体力を回復させたい人…。

癌罹患者や経験者に絞りすぎず、ターゲット層を広げた方がいいのかもしれない。

専門の再考が必要だな。

経験を積める職場環境に感謝

仕事を始めてちょうど2ヶ月。

運営チームの努力のおかげでスロットがほぼ埋まるようになった。

出勤すれば待ち時間なく施術を行える状況が本当にありがたい。

 

これがもし自営業だったら集客力の弱さで1日何回施術できるかなという状況になっていたと思う。

認知度の高さと顧客層のプールがあることがビジネスに与える影響力を目の当たりにしている。

 

経験を積むという観点からみても、他の職場で仕事を始めた同期よりも多く施術できているかもしれない。

「数をこなして経験を積むのにいい環境」と学校のインストラクターがくれたアドレスにも納得だ。

 

この職場で働けることに感謝。

頑張っていこう。

収入とやりがい

今の職場でフルタイムで働くセラピスト達はこの辺りの平均的な仕事の収入よりも多い。

一桁違うから驚いた。

 

私が目指す事業形態ではなかなかたどり着けない金額だ。

私も方向性を変えれば立派な収入を得ることができるんだな、と一瞬考えてしまった。

 

私の施術対象は病歴を持つ身体的弱者であり、病院では多額の治療費を払っている。

今の職場の顧客層は健常者で収入に余裕がある人達だ。

施術に求められるものも全く違う。

 

経済的弱者から報酬を得るというのは理性的に簡単ではない。

けれども私自身の生活を犠牲にするのも違うと思う。

 

しっかり自分の中に落とし込んでぶれないようにしなきゃ。

パイオニアから学べる幸運

オンコロジーマッサージのトレーニングが半ばを過ぎた。

最近になってインストラクターがこの分野のパイオニアであることを知った。

 

レーニングのテキスト本の内容から彼女の知識と経験の深さは知っていたが、まさかここまで著名な人物だったとは。

クラスではそんなことを全く感じさせない雰囲気。

 

最近は教壇から遠ざかっていたと言っていたし、今回のクラスも最後のスポットにぎりぎりセーフで申し込めたから、色々な幸運が重なって最高のトレーニングを受けれていることに心から感謝。

 

残り3回のクラス。

たくさん吸収しよう。