最後のクラスでは癌経験者に施術した。
クライアントの問診を経てマッサージの圧を考えるのだが、当日の体の痛みや不快感、過去の治療からの長期副作用、マッサージのスピードなど考えることが多く、パニックになってしまった。
正直、失敗したなと思った。
案の定、数日後に行なったクライアントのフォローアップでは、「皮膚を優しく撫でられている以外は何も感じなかった」と言われた。
正直な評価に感謝だ。
この施術にわざわざ高いお金を払いたい人はいないだろうな。
癌経験者は普通の人と同じように生活したいと願う人が多い。
必ずしも最善の選択ではなくても強い圧で施術して欲しい人が多いのが現実だ。
何か症状がない限り、わざわざ高い料金を払ってまで優しいマッサージを受けたい人はいないかもしれない。
裏を返せば、優しい施術を必要とするクライアントを再考すればいいのか。
抗がん剤治療中の人、手術後の腫れを引かせたい人、全身に慢性的な痛みがある人、リラックスしたい人、不安感を拭いたい人、落ちた体力を回復させたい人…。
癌罹患者や経験者に絞りすぎず、ターゲット層を広げた方がいいのかもしれない。
専門の再考が必要だな。